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その他 2018/07/10

安売りしないで他社よりも商品を高く売る方法

 こんにちは!楽天市場公式・店舗運営サポートサービス「RMS Service Square」です。今回は新企画! 

元・楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー受賞店舗店長様で、現在は経営コンサルタントとしてご活躍の竹内謙礼先生によるコラムシリーズ「竹内謙礼の『俺についてこい!』」第1弾です。どうぞお楽しみください!

【竹内謙礼先生とは】雑誌編集者、観光施設広報を経て、経営コンサルタントとして独立。キャッチコピー、販促企画、ネットビジネスを中心に商工会議所、企業等でコンサルティング活動を行う。日経MJにて毎週月曜日「竹内謙礼の顧客をキャッチ」を連載中。楽天市場2年連続ショップ・オブ・ザ・イヤー「ベスト店長賞」受賞。


■安売りしないで他社よりも商品を高く売る方法

 ネットショップ運営において安売りの競争が発生するのは当たり前のことである。

ネットは利用者にとって利便性の高い買い物ツールであり、売り手側に不利になる競争が起きやすい市場特性を持っている。今回のコラムでは、安売りに巻き込まれないようにしながら、なおかつ商品を高く売る施策について解説していきたいと思う。


 まず、大前提として「価格」は店舗と顧客との“距離感”で決まるということを理解してもらいたい。理解度を深めてもらうために、あえてリアル店舗に例えて解説させてもらう。

例えば、缶詰を買いたい場合、自宅近くにあるセブンイレブンと遠くにあるドン・キホーテの2店舗があったとする。おそらく遠くのドン・キホーテのほうが安い缶詰が売っているかもしれないが、わざわざ遠くに買い物にいくほどのものではないという心理が働くと、近くのセブンイレブンで同じ缶詰でも高い価格のものを買う人が出てくるはずである。

 このように、“高くても買う”という消費行動は思いのほか身近なところで発生している。しかし、ネットの場合は、この“距離”が存在していない。どこで購入しても労力が同じなので、価格が安いほうに流れやすく、結果、激しい価格競争が生まれてしまうのである。


 だが、店舗と顧客の“距離”というのは物理的なものだけとは限らない。例えば、馴染みのあるネットショップと、初めて検索結果に出てきたネットショップでは、「買いやすい」「買ってもいい」と思うのは、馴染みのあるネットショップのほうに分があると言える。ブログを読んで、メルマガを読んで、SNSも読んで、いわゆる「心の距離」が近いネットショップのほうが、そのお客様にとって購入しやすいポジションにあると言える。

 さらに、ここに他店とは違う商品の付加価値の“軸”を見せることで、「価格が高くても買いたい」という心理状況を加速さえることができる。例えば、納期や保証、セット販売など、価格では置き換えられない付加価値を提示することによって、お客様に「安く買うほうが損かもしれない」と思わせることができれば、「高くても商品を購入する」という逆転現象を引き起こすことができるのである。


 ここで肝心なことは、「顧客との心の距離を縮める」ということと「他店とは違う商品の付加価値の“軸”を見せる」という両方の施策を、同時に展開していかなくてはいけないことである。心の距離を縮めるだけでは同じ価格なら買ってくれるものの、安ければやはり心の距離が遠くても安い店を選んでしまうのが顧客の心理ではある。

また、他店とは違う商品の付加価値の軸を見せることができたとしても、馴染みのない店であれば“情”が働かなくなってしまうので、価格を比較されやすくなってしまう。顧客と心の距離が近く、なおかつ他店と違う付加価値を見せることで、初めて「高くても買っていい」という心理状況になるわけであって、このどちらかが欠けてしまったら価格競争に巻き込まれてしまうのである。

 

 顧客との心の距離を縮めるためには、継続的にメルマガやSNS、ブログを通じて情報発信を行い、その店舗で販売している商品やスタッフの思いなどをお客様に理解してもらわなければならない。また、店舗内のコンテンツを充実させて「ここのお店はちゃんと商品を理解した上で商品を売っているんだな」とお客様に理解してもらうことで、安心感を与えることも大切である。このような情報発信とコンテンツ作りを行うことによって、このお店で商品を買いたいという顧客を増やすことで、他社と比較されないポジショニングの構築に繋がって、安売りから脱することができるのである。


 しかし、現実問題として、そのようなお客様と距離が縮められるような商材を取り扱っているネットショップのほうが少ないのが実情である。

「うちのお店は仕入れ商品だから、どこで買っても同じだよ」

「商品にこだわりがないから、お客様と距離を縮めるメルマガなんて書けないよ」

 このようなネットショップのほうがむしろ楽天市場には多いと言える。

 だが、本末転倒のような話になってしまうが、そのような「どこでも買える」という商品はそもそもネットの価格競争から脱することが不可能であり、そのような商品を取り扱うコンセプトで店舗を構築した時点で、すでに運営に無理が生じやすいネットショップになってしまっているところがあると言える。

 例えるのなら、個人経営という小資本で牛丼屋を始めるのに、集客しやすいという理由だけで吉野家と松屋の間に店を出して「価格競争に負けてしまうんですけどどうすればいいですか?」と頭を抱えているようなものである。そもそも価格の競争になることが分かり切っているのに、先の展望も戦略もなしに無策でEコマースの世界に飛び込んでしまったことが、無理な商売を強いる根本の問題になってしまっているのである。

ネット市場原理を考えると、「どこでも買える」という商品は、最終的には仕入れ力があって規模の大きいネットショップが絶対に勝つ仕組みになっており、ネット市場に小さな資本力で価格競争に真っ向から立ち向かっている時点で、もうすでに負け勝負になってしまっているところがある。

「今さら取り扱い商品やビジネスモデルを変えることなんてできない」

そう反論する人もいるかもしれないが、そもそもネットショップは無店舗経営であり、先行投資が少なく、ビジネスモデルや取扱商品はリアル店舗よりも変化させやすい特性を持っている。そのような特異性を考えれば、ネットショップ運営が価格競争から脱して商品を高く売るためには「取り扱う商品を変えてみる」というのが、実は最も現実的な策になると言えるのである。


 一昔前までは、写真のクオリティを上げたり、ページをリニューアルさせたりすることで、見栄えをよくして他社よりも「高く売る」というテクニックが存在していた。しかし、制作スキルが全体的に向上したことにより商品ページのクオリティに差が生まれにくくなり、さらにデザインの差が出にくいスマートフォンでの購入者が増えたことによって、より価格による比較が激化してしまっているのが今の厳しいネット業界の現状といえる。

そう考えれば、今の時代において表面的なテクニックだけで価格競争から脱することは非常に難しく、店舗のコンセプトやこだわり、伝えるメッセージが存在しなければ、顧客の距離を縮めたり、商品の付加価値の軸を変えたりすることができないので、永遠に価格競争から抜け出すことはできないことになる。


 もちろん、自社に仕入れ力があったり、価格で勝負しても十分な利益を確保できるような体制が整っていたりするネットショップであれば、とことん価格で勝負する施策を展開していけばいい。そのほうが短期的に売上を作ることができるし、価格競争に勝てるネットショップを作ることが、本来のEコマース業界における絶対的な必勝パターンと言える。

 しかし、商品を仕入れてただ売ることしかできない小資本のネットショップの場合、もっと真剣に「安売りしないで高く売る」という方法を考えていかなければならない。情報発信をすることによって地道にファン顧客を増やし、どのような商品を取り扱っていけばファン顧客が増えるのか、店舗を商品やコンセプトから見直していく必要があると言える。


 その上で、お客様との距離を縮めることができれば、次に他店とは違う付加価値の“軸”を見せることを展開していかなければならない。

例えば、同じ型番商品でも、あす楽対応にしてみたり、セット販売にしてより利便性を高く見せたりして、その商品単体よりも「プラスα」の魅力を引き出す提案をお客様にしていくのもいいだろう。

また、キーワードの“軸”を変えてみるのも一手である。例えば、スキー用のゴーグルであれば他社との価格競争に巻き込まれやすくなるが、スノーモービル用のゴーグルを取り扱うようにすれば単価は一気に上がり、競争相手も少なくなって安売りせずに高く売ることができるようになる。もちろん、市場が二ッチになるので売れる数は減少するかもしれないが、利益を考えれば、後者のほうが店舗にとって効率よく稼ぐ売り方になるはずである。

 ネットショップの場合、お客様は「検索」という行為からは抜け出すことができず、その検索による「結果」においてだけしか他社と価格を比べることはできない。つまり、検索のキーワードの“軸”を変えることによって、価格競争が起きている市場から抜け出して、新たな市場での競争を試みることができるのである。


 他にも、安売りしないで高く売るようなテクニックは多々ある。

例えば、ニセモノや粗悪品が出回っている商品の場合、「この商品には偽物が出回っているので価格の安い商品にはご注意ください」と注意喚起すれば、若干ではあるが安売りの流れを食い止めることができる。また、「送料込みの値段で比べてください」「当店は正規代理店です」等のキャッチコピーも、価格競争から抜け出す販促手法として取り入れてみるのも策として講じてみるのはいいかもしれない。

 しかし、このような小手先の改善策は一時的に価格競争から脱することができるものの、慢性的な安売りの競争からは抜け出す策にはならない。ネット通販の場合、戦略が競合のネットショップに筒抜けになってしまうため、どうしても小手先の販促テクニックはものの数ヶ月で攻略されてしまう。そのような視点から考えても、やはり先述したように顧客との心の距離を縮めて、商品の付加価値の“軸”を変えることが、長期的な視野で見た価格競争から脱する最良の手段になるのである。


 私はEコマース業界を17年ほど見続けているが、「価格の競争が激しい」と売り手側が嘆いている状況は今も昔も変わっていない。そして、その事実を認めながらも無策に価格競争を繰り返し続けたネットショップは、ほぼ間違いなく短命で終わっている。

 かたや今もなお高い利益率をキープして安売りに巻き込まれていないネットショップを見てみると、早い段階から価格競争から脱するための商品切り替えを行い、顧客との距離を縮めるための情報発信に投資をして、常に他社にはない新しい商品の付加価値の軸を作り出して、市場にイノベーションを起こし続けている。どんなに時間がかかろうとも、「いつか高くても自分達の商品のファンになってくれる」ということを信じ続けて、情報の発信をブレることなく続けたネットショップが、息長く商売を続けているという現実がある。

 誰でも簡単に実行できる価格による競争というのはネットショップの寿命を縮めるだけであって、良いことはなにもない。反対に実行することが難しく、結果が出るのに時間がかかる顧客作りと付加価値の創造は、半永久的に市場を独占できる強いネットショップを作り続ける策になるのである。


 いかがだったでしょうか?「竹内謙礼の『俺についてこい!』」シリーズのその他のコラムは、こちらからお読みいただけます。

▼第2弾:3つの工夫で劇的に売上が伸びるキャッチコピー術
▼第3弾:知識ゼロでもすぐに実践できる、売上を伸ばすSNS活用法


「竹内先生のお話をもっと聞きたい!」という方には、RUx(動画)もおすすめです!

店舗様の味方・店舗運営の駆け込み寺、RMS Service Squareでした。次回もよろしくお願いいたします。