
問い合わせ対応の効率化は、担当者の業務負担の軽減だけでなく、対応スピードが向上することで顧客の信頼醸成や満足度向上につながります。
本記事では、EC の問い合わせ対応を効率化する方法や、問い合わせ対応の効率化に役立つシステム、企業の成功事例などをご紹介します。
目次
1.ECの問い合わせ対応:よくある「困った!」
課題1: 問い合わせ窓口の煩雑化
ECサイト運営において、自社サイトや各ECモールの問い合わせ窓口に加え、電話、メール、チャットなど多様な対応チャネルが存在するため、対応が煩雑化しやすいという課題があります。
各チャネルでの対応履歴が集約されていない場合、チーム内で情報を共有できなくなり、「別担当者が電話で対応した内容がメールでの対応に反映されない」といった問題にも発展してしまいます。
課題2: 問い合わせ対応スピードの遅さ
問い合わせ対応のスピードが遅くなる原因としては、問い合わせ件数が多いことや、1件あたりの問い合わせ対応にかかる時間が長いことが挙げられます。
1件あたりの問い合わせ対応に時間がかかっている場合、主な原因として以下のような可能性が考えられます。
- 問い合わせの担当者振り分けに時間がかかっている
- 過去の対応履歴や顧客情報の把握に時間がかかっている
- 適切な対応方法の検討に時間がかかっている
まずは問い合わせ対応業務の中でもどの部分に時間がかかっているのかを把握することが、改善のための第一歩となるでしょう。
課題3: 問い合わせ対応品質のばらつき
3つ目は、担当者によって問い合わせ対応の品質にばらつきが出てしまうという課題です。 対応品質が低いと、顧客満足度の低下や評判悪化に繋がりかねません。
問い合わせ対応品質は担当者のスキルや経験に左右されやすいため、対応の仕組み化や担当者教育によって品質の平準化を図るのが望ましいでしょう。
2.問い合わせ対応を効率化 5つの解決策
ここからは、ECの問い合わせ対応を効率化する方法をご紹介します。
■ 解決策1: お客様自身で解決!自己解決を促す
問い合わせ件数が多すぎることが原因で対応遅れが発生している場合、問い合わせ件数を減らす試みが重要です。
特に件数が多い問い合わせ内容は、顧客が問い合わせることなく疑問を解消できるようなコンテンツを整備しておくことがおすすめです。例えば、以下の対策が挙げられます。
■ 解決策2: スピード勝負!定型質問への即答
よくある問い合わせに対しては、あらかじめテンプレートを用意しておくことで対応時間を大幅に短縮できます。担当者の経験に差がある場合でも、ある程度の対応品質を均一化することが可能です。
また、楽天市場の場合は 「R-Messe」 という店舗とお客様がメッセージ形式でやり取りできるコミュニケーションツールがあります。
R-Messeでは、自動応答(チャットボット)機能があり、事前に質問と回答を登録をしておくことで、早期回答・問い合わせ数の削減が可能です。

<例1>
質問: ラッピング対応は可能ですか?
回答:
当ショップでは、ギフト用ラッピング・のし対応を承っております。
以下の方法でご注文いただくとギフト対応が可能となります。
「ご注文確認画面」でご希望のラッピングリボン・のしを選択の上、「備考欄」に名入れ用のお名前をご記載ください。
<例2>
質問: この商品はいつ再入荷予定ですか?
回答:
現在ページ上で、欠品中の商品の入荷時期は★★未定★★です。
再入荷の際には楽天会員の場合、「再入荷のお知らせ通知」機能をご利用いただきますと、
当店に入荷したタイミングでお客様に通知がされます。
「再入荷ボタン」を詳しく知りたい方はこちらをご確認ください。
https://event.rakuten.co.jp/notification/
詳細・設定方法については、以下の店舗運営Navi・楽天大学RUxを参考にしてみてください。
店舗運営Navi [顧客対応のヒント] R-Messe 問い合わせ対応
参考: https://navi-manual.faq.rakuten.net/customer/000046238
楽天大学 RUx 「R-Messeお問い合わせ管理」 お問い合わせ対応の業務効率化
参考: https://daigaku.rms.rakuten.co.jp/watch/20774
■ 解決策3: AI の力を借りる!複雑な質問もスムーズに
個別の対応が必要な質問の場合、特に回答作成に時間を要してしまうことが多いかと思います。
そんな時には、「問い合わせ回答作成支援AI」の活用もおすすめです。
楽天が提供する店舗向けのサポートAIツールの一つで、指定した回答概要をもとに返信文を提案する機能です。この機能を利用すると、単純な指令文をもとにお問い合わせの回答文をを生成することができます。
<例>
・ユーザーからの問い合わせ:
昨日注文した商品はいつ届きますか?
・問い合わせ回答作成支援AIの利用イメージ:
※上記の機能には、利用上限やご利用にあたっての免責事項がございます。ご利用前に必ず以下のページを合わせてご確認ください。
店舗運営Navi [R-Messe 問い合わせ管理] 操作方法
参考: https://navi-manual.faq.rakuten.net/service/000037500
楽天大学 RUx RMS AIアシスタント β版 [実践・活用編] 「問い合わせ回答作成支援AI」(R-Messe)
参考: https://daigaku.rms.rakuten.co.jp/watch/70475
■ 解決策4: 自動で仕分け!担当者へスムーズな連携
問い合わせの担当者振り分けに時間がかかっている場合は、自動的に振り分けるよう設定しておくことで効率化できます。
例えば、「返品」や「故障」など問い合わせ内容に含まれるキーワードに基づいて担当者を自動的に振り分けたり、モールごとに担当者を振り分けたりします。対応不要な内容のメールは自動的に対応完了ステータスに変更することも、効率化の観点で有効です。
また、クレームの可能性が高いメールに対して通知が飛ぶ仕組みにしておくと、優先的に対応することができます。
■ 解決策5: 業務効率UP!問い合わせ対応効率化ツール
問い合わせ対応をもっと効率化したいとお悩みの方は、一元管理ツールの導入も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
MailDealer(メールディーラー) for 楽天市場では、以下の便利機能がございます。
共有メールアドレスや楽天市場のR-Messe・Yahoo!ショッピングの問い合わせ管理ツール、LINE公式アカウント、電話など、さまざまな窓口からの問い合わせ管理を一元化できます。

多くの受注・在庫管理システムとの連携が可能で、複数の管理システムを立ち上げて管理する手間や、異なった問い合わせ窓口を確認しにいく時間を短縮できます。
各問い合わせの対応をする担当者と、それぞれの対応状況(未対応・返信処理中・対応済みなど)が一覧画面で把握可能です。

AIクレーム検知オプションでは、生成AIを活用して受信したメールを分析し、クレームリスクのあるメールかどうかを自動で判定・ラベル付けされ、迅速かつ適切な対応に繋がります。
よく利用する案内文をテンプレートとして登録しておくことで、対応品質の平準化を実現できます。メール作成時間の削減はもちろん、新人メンバーの教育コスト削減にも繋がります。
3.効率化に成功した企業様の事例
・株式会社ヤッホーブルーイング様の事例紹介:
楽天市場店舗:よなよなの里 エールビール醸造所 楽天市場店
クラフトビールのリーディングカンパニーとして、「よなよなエール」や「水曜日のネコ」など、こだわりのビールを手がける株式会社ヤッホーブルーイング様。お客さま一人ひとりに寄り添った対応を重要視しているため、問い合わせ返信前に過去の注文履歴やメールを確認するフローを組み込んでいます。
しかし、過去の対応履歴の検索などに時間がかかってしまい、対応が遅れるという課題がありました。また、対応スピードを上げようとするあまり、1つのメールに対して重複対応をしてしまったこともあったそうです。
そこで 「メールディーラー」を導入したところ、対応状況の可視化やメールの自動振り分けにより、対応時間を大幅に削減することに成功。
自動化できる部分は自動化し、生まれた時間を本来かけるべき業務に充てる。このように、顧客満足度を高めるための土台をしっかりと作ることで、お客さまに寄り添ったプラスアルファの対応が実現されています。
4.まとめ: 効率化で顧客満足度も向上
EC運営は問い合わせ管理が煩雑になりがちです。問い合わせ対応業務を効率化することによって、これまで以上に顧客と丁寧に向き合う時間ができたり、顧客満足度向上のための本質的な業務に時間を充てたりすることができます。
問い合わせ対応に課題を抱えている企業様はぜひ、本記事の内容を参考にしていただけますと幸いです。
※本コラムは、RMSサービススクエア参加企業様にご提供いただいた記事です。内容は各社、独自の知見に基づくものであり、楽天グループ株式会社としての公式見解を示すものではありません。
記事内容に関するご質問やお問い合わせは、直接企業様へお願いいたします。また、具体的な施策の実施にあたっては、担当ECコンサルタントまたは店舗運営Naviにて最新の情報をご確認ください。
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